バイオマス発電~地球にやさしい一方でコスト面に課題が!?

再生可能エネルギーで、いまいちばん注目されているのはバイオマス発電といっていいかもしれません。

日本各地で、バイオマス発電所の建設が予定されています。

バイオマス発電には地球環境にやさしいというメリットがありますが、一方でいくつかの課題もあります。

日本各地でバイオマス発電所の建設ラッシュ?

バイオマス発電の動きが加速しています。

石油元売り大手の「東燃ゼネラル石油」と総合エンジニアリングの「日揮」は、北海道室蘭市にバイオマス発電所を建設することを発表。燃料は輸入ヤシ殻で、2020年春の稼働をめざしています。

このヤシ殻発電所が完成すれば、バイオマス発電としては国内最大級の7万4900キロワットの出力になると見込まれています。

また、原発事故の被害を受けた太平洋沿岸地域の復興をめざす「福島イノベーション・コースト構想」では、建築資材卸売会社の「共栄」が、新規事業として小型バイオマス発電の実用化に取り組む予定です。

燃料は地域で発生する食品廃棄物。これを発酵させて、バイオガスを生成するシステムです。

さらに、「三菱製紙」は王子グループと共同で青森県の八戸工場の構内に、国内最大級の木質バイオマス発電所を建設することを発表。燃料は木質チップとヤシ殻で、八戸市の世帯数を上回る14万7000世帯分相当の発電量が見込まれるとのことです。

以上3つの事例をご紹介しましたが、このほかにもバイオマス発電への取り組みは各地で活発になっています。

これまで再生可能エネルギーといえば、真っ先に太陽光発電が挙げられましたが、近い将来、バイオマス発電が主力になるのではという声も聞かれます。

バイオマス発電の仕組み

バイオマス発電とは、その名のとおりバイオマスを使って発電する方法です。

生物資源「「bio」と量「mass」からなる言葉で、化石資源以外の“生物由来”の有機性資源のことを指します。

燃料は、廃材やチップ、サトウキビやトウモロコシ、海藻、生ごみ、家畜の糞尿などさまざまなものがあります。

<バイオマス発電の燃料>

●木質~建築廃材、チップなど
●農畜産~サトウキビ、トウモロコシ、ヤシ殻、家畜の糞尿など
●廃棄物~生ごみ、食品工場の廃棄物など

これらを燃やしたときに発生する水蒸気やガスを利用して、タービンを回転させることで発電するのがバイオマス発電です。

資源エネルギー庁は、バイオマス発電の特長として以下の4点を挙げています。

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1.地球温暖化対策

光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされています。

2.循環型社会を構築

未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与します。

3.農山漁村の活性化

家畜排泄物、稲ワラ、林地残材など、国内の農産漁村に存在するバイオマス資源を利活用することにより、農産漁村の自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図ることが可能となります。

4.地域環境の改善

家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献できます。
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簡単に説明すると、次のようになります。
1.バイオマス資源はCO2を発生しないので、地球温暖化の防止につながる
2.廃棄物を燃料とするのでリサイクル社会の実現につながる
3.燃料は農山漁村にあるため、地域の活性化につながる
4.生ゴミなどを資源にすることで環境改善につながる

バイオマス発電の課題

ただし、バイオマス発電にも課題があります。
例えば、先ほど紹介したヤシ殻発電所を例にしてみましょう。

ヤシ殻発電は、韓国やヨーロッパでも導入しているため、将来的に原料の奪い合いが考えられます。

供給量に限界があるため、需要が増えるとそれだけ価格も上がるということです。

つまり、バイオマス発電は原料の長期・安定供給が課題となります。
また、コストが高いというデメリットもあります。

さらに、原料確保のため、森林伐採など自然破壊が進むのではないかと懸念する声もあります。

どんな発電方法も、それぞれメリットとデメリットがあります。

バイオマス発電が今後、これらの課題をどのように乗り越えていくのか見守っていきましょう。


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