「新電力トリプルセット割」は、日経トレンディの「2016年ヒット予測ベスト30」で1位を獲得した言葉。聞いたことがない人は、時代に乗り遅れている可能性大です!
電力自由化のキーともいえる「新電力トリプルセット割」とは、いったいどんなものなのでしょう。知らないと損をするかもしれませんよ。
多種多様なトリプルセット割が誕生する予測!
電力の自由化によって、たくさんの企業が電力の小売事業に新規参入してきます。
それらの企業を「特定規模電気事業者」「新電力」「PPS」と呼びます。
ここではわかりやすく新電力としましょう。
2015年11月30日の段階では、約800社が新規参入を希望、現在審査が進められていますが、最終的には200以上の新電力が誕生するのではないかと見られています。
各社ともさまざまなプラン・サービスを打ち出すと予想されていますが、そのなかで注目されるのが「電気+ガス」「電気+通信」「電気+ガソリン」といったセット販売。
新電力が自社の強みを活かし、電気と別のサービスをセットにして販売しようというものです。
新電力トリプルセット割は「電気+ガス+通信」のように3つのサービスがセットになったものをいいます。
例えば、すでに電力事業への参入が決まっている東京ガスは、ガスと電気のセット割のほか、インターネット光回線やポイントサービスをセットにした販売を予定。さらに携帯電話とのセット割も準備しています。
またENEOSでんきは「電気+ガソリン+携帯電話」をはじめとするトリプルセット割で、3~5%の割引を計画しているようです。
携帯電話会社でいうと、auも「auでんき」として新規参入を決めています。「電気+携帯電話+固定電話」や「電気+携帯電話+インターネット光回線」のトリプルセット割が考えられます。
既存の電力会社も新たなサービスを展開
一方、迎え撃つ形となる既存の電力会社ですが、手をこまねいているだけではありません。
東京電力はソフトバンクと連携。「電気+携帯電話+インターネット光回線」のトリプルセット割を展開する可能性が高いといえるでしょう。
さらに「Tポイント」「Ponta」の導入がほぼ決定し、電力自由化後は電気料金に応じてポイントが付与される予定です。
電気の途中解約は違約金を取られる?
さまざまな電力会社が、さまざまなセット割を展開するため、ライフスタイルやニーズに合わせて選べる反面、料金プランが複雑化し、わかりにくくなるというデメリットが考えられます。
わかりにくいということは、きちんと理解せずに契約してしまう可能性もあるということ。
新電力は、電気事業への参入にあたり高額なコストがかかっているため、長期契約してもらうことが前提となります。
そのため、携帯電話の2年縛りのように長期の拘束が条件となり、途中で解約すると高額な違約金を請求されることも考えられます。
「電力トリプルセット割」と言葉だけ聞くとかなりお得に感じられますが、電気の乗り換えはしっかりと比較検討したうえで、慎重に行ったほうがいいといえるでしょう。