日本の参考になるか?ドイツの電力自由化と脱原発

ドイツの電力事情というと「脱原発」や「再生可能エネルギー」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

ドイツは1998年に電力事業が全面自由化されましたが、ほかの国とはちがって独特の経緯を辿っているといえるかもしれません。

ドイツの電力自由化と脱原発についてご紹介しましょう。

新規参入企業が次々と撤退!

ドイツは1998年に電力全面自由化となりました。

それまでは、発電・送電・小売を一括で行う8大電力会社と、配電と小売を行う地域ごとのインフラサービス会社(=シュタットベルケ)が電力事業を担ってきました。

自由化により、小売分野を中心に100もの企業が新規参入したため、市場競争が生まれ、電気料金が安くなるのではないかと期待されました。

その期待どおり、当初は家庭用が20%、産業用はなんと40%も電気料金が下がったのですが、2年後の2000年には上昇に転じたのです。

その理由は、既存の電力会社が託送料金を高く設定したことにあります。

新規参入企業は、既存の電力会社の送電システムを借りるために高い託送料金を支払わなければならず、コストがかかり経営を直撃します。

そのため、採算が取れなくなった新規参入企業は次々と撤退していったのです。

一方、既存の電力会社は統廃合などを繰り返し、8大電力会社から4大電力会社へと集約されました。

こうした事態を受け、政府は2005年に送配電料金の認可制を導入。2009年には送電会社の分離を行いましたが、4大電力会社のシェアは自由化前よりも高い70%以上を占めています。

信頼度が低いドイツの新電力

自由化になったものの、市場競争が働いているとはいえないドイツの電力事情。

なぜこのような結果になったかというと、新規参入企業への不信感が背景にあります。先述したように、既存の大手電力会社が高い託送料金を設定したことで、新規参入企業は相次いで撤廃。

その際、契約した消費者から前払いで料金を徴収しておきながら倒産するケースが相次ぎました。消費者にとっては、お金を払ったのに電気という商品を受け取れない状態です。

ドイツには現在、1000以上の電力会社があるにもかかわらず、新電力への信頼感が低いのはこうした過去があるからです。

再生可能エネルギー先進国をめざして

2011年3月に起きた福島第一原発の事故をきっかけに、原発を縮小し、再生可能エネルギーにシフトする国が増えています。

ドイツはその筆頭といえます。それまでは原発推進派だったメルケル首相は、福島第一原発の事故以降、反原発に一転。2011年7月には、8基の原発を閉鎖。残りの9基も2022年までに停止することが決まっています。

再生可能エネルギーへと大きく舵を切ったドイツは、2014年9月には電力消費量の約28%を再生可能エネルギーでまかない、2035年までには55~60%まで高めることをめざしています。


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