電力自由化のパイオニア・イギリスの取り組み

1990年から段階的に電力自由化を進めてきたイギリス。

1999年には小売の全面自由化がスタートしましたが、メリットもあればデメリットもありました。

さまざまな取り組みを行いながら、次世代に向けて改革を進めるイギリスの電力事情から、日本の電力自由化の行方を探ってみましょう。

6社からなる発電部門の「ビッグシックス」

電力自由化のパイオニアともいえるイギリス。

1979年にサッチャーが首相に就任すると、さまざまな分野で民営化と規制緩和が進められました。そのひとつが電力です。

もともとイギリスでは、国営の中央電力公社が電力事業を独占していました。それが1990年から段階的に自由化が進み、中央電力公社は分割民営化となり、新規企業も参入。1999年には全面小売自由化となり、消費者は自由に電力会社を選べるようになりました。

発電部門には、自国の会社はもちろん、ドイツやフランスなど6社が設備のほとんどを保有しており、「ビッグシックス」と呼ばれています

「○ヵ月電気無料!」などのサービスを展開!

イギリスでは自由化が定着し、消費者はショッピングをするように電気を買っているそうです。

ガスや水道とのセット販売をはじめ、長期契約の割引きなどさまざまなプランがあります

なかには「最初の○ヵ月は無料!」「○ポンドのクーポン券をプレゼント!」など、日本でいうと携帯電話会社のキャンペーンそっくりのサービスを行ったり、住宅ローン会社と提携し「契約すると○年間、電力とガスが無料!」といったサービス展開したりする会社もあります。

実際、電力の自由化以降、約4割の人が他社へ乗り換えし、毎年約1割が乗り換えを行っているというデータもあります。電力会社の乗り換えは、イギリス国民にとってはごく当然のことのようです。

ただ、多種多様なプランやサービスがあるということは、そこから自分のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。そのため、イギリスには電力会社を比較できるサイトがあります。

自分が住んでいる住所の郵便番号を入力すると、契約できる電力会社とプランが表示されるため、消費者は手軽に比較検討し、選ぶことができます。

「電力不足」と「電気料金高騰」に直面

ただし、イギリスの電力自由化もメリットだけではありません。

いちばんのデメリットは、やはり電気料金の値上がりです。

問題が表面化してきたのは、自由化になって20年ほどたってからです。老朽化した発電所が閉鎖されたものの、新しい発電所が建設されなくなったのです。理由は、天然ガスの価格上昇。

イギリスでは自由化後、石炭火力に代わり天然ガスによる火力発電が行われてきましたが、天然ガスの価格が上昇したため、発電所を建設しても利益になるかどうかわからない状況に陥ったのです。そのため、発電に投資する企業が現れなくなりました。

現在、イギリスは「電力不足」と「電気料金の高騰」という二重苦に直面しています。

この現状を打破するために、2020年をめどにした大規模なエネルギー革命に着手。太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーを大きく増やすことで、環境に配慮しながら、電力供給と電気料金の安定をめざそうというものです。

日本でもいずれ、イギリスの取り組みをお手本にする日がくるのでしょうか。


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