どの電力会社から電気を買うか、選べるようになる電力の自由化。
いままで地域で独占状態だった電力会社ですが、新規企業の参入により競争が生まれます。使う電気を選べるということは、私たちにどんなメリットがあるのでしょう。
ライフスタイルに合わせて電気を選ぶ
これまで地域を独占状態だった電気事業。電気はほかのサービスや商品のように「この会社は高いから、ちがうところにする!」と変えることはできませんでした。
それが電力の自由化によって一変。「どの会社から電気を買うか」私たちひとりひとりが選ぶようになります。
ガス会社、石油会社、通信会社、電気メーカーなどさまざまな会社が、新しく電気事業に参入します。
電力の自由化のいちばんのメリットは「電力会社を選べる」ことと「料金プランを選べる」こと。
さまざまな電気会社があることで競争が生まれ、いままでなかったようなサービスやプランが登場すると見られています。
例えば、セット割。ガス会社であれば「ガス+電気」、通信会社であれば「携帯電話+電気」など、それぞれの会社の強みを活かした契約メニューや料金プランを打ち出してくるでしょう。
私たちは各社のプランを比べて、自分のライフスタイルに合った電力会社を選ぶことができます。
結局、電気料金は安くなる?
もっとも気になるが、電気料金が安くなるのかどうかですね。
大方の予想では、当面、電気料金は安くなるのではないかといわれています。実際、「現状より3~5%ほど安い料金にしたい」と公言している新規参入事業者もいます。
競走が生まれるのだから安くなるはずだと考える人も多いでしょう。ところが、一概にそうとはいえません。というのは、一足先に電力自由化に踏み切ったイギリスは、最初の5年ほどは値下げ傾向だったものの、それ以降は値上げに転じ、なんと2倍近い料金になりました。
ただし、日本においては数年のあいだはこういった心配はありません。自由化になるとはいえ、2020年までは消費者保護の観点から、電気料金が上がりすぎることがないよう規制がかかります。
そのため、電力自由化の開始後は、全体的に電気料金が安くなると予想されています。
電気の種類も選べるようになる?
電力会社を選ぶポイントは、料金のほかに「どんな電気を選ぶか」という見方もあります。つまり、発電の種類です。
近年、地球環境やクリーンエネルギーへの意識は高まり、太陽光発電や風力発電など自然エネルギーから生まれた電気を使いたいという人が増えています。
そういったニーズに応えるため「太陽光発電+蓄電池」といったプランを設定する新規事業者もいるでしょう。
今後、新規参入する事業者やその契約内容はどんどん明らかになっていくので、注目していきたいですね。